EPとは、エマルションペイントの略です。詳細は、エマルションペイントを参考にしてください。ここでは、簡単にEP・AEPについて説明いたします。
まず、エマルションペイントとは水分・溶剤(シンナー)の中に、細かくされた樹脂分が均一に分散している塗料のことを示します。外装で利用されるほとんどの塗料は、この意味でエマルションペイント、すなわちEPであると考えて差し支えありません。
シリコンであろうと、フッ素であろうと、外装で利用される樹脂はエマルションペイントなのですが、建築業界ではエマルションペイントとは艶なしの水性アクリル樹脂塗料と同義の意味で用いられています。
日本工業規格(JIS)やJASS(日本建築学会規格)が定める塗装規格においては、水性アクリル系のエマルションペイントにAEPの略称が与えられております。また、ウレタン樹脂塗料の水性系のものにUEP(ポリウレタンエマルションペイント)が与えられ、溶剤系のものにはUE(ポリウレタンエナメル)の略称が与えられています。なお、シリコン樹脂塗料は各メーカーの品質がまちまちであり、規格はありません。
このような中、内部塗装などで一般的によく利用されているアクリル樹脂水性エマルション(AEP)の存在感が大きかったこともあり、慣習としてエマルションペイントといえばAEP(アクリル樹脂水性エマルションペイント)を指すようになったと考えられます。
JIS(日本工業規格)やJASS(日本建築学会規格)に定められた略称において、従来はEPといえば酢酸ビニル系エマルションペイントのことを示し、AEPといえばアクリル樹脂水性エマルションペイントのことを指し示しておりました。しかし、現在はEPはほとんど利用されなくなったこともあり、図面などでEPと表現されていたとすると、それはAEPを指し示すと考えて大方問題ありません。EPとAEPは混同して利用されているのです。
このようなことから、大いに混乱しているのが現状ですが、EP・AEPといえば、室内塗装などに利用される艶なしの水性アクリル樹脂塗料(日本ペイントのエコフラット等)と考えておけば、間違いはありません。