ALCとは、"autoclaved lightweight aerated concrete"の略で、オートクレープ養生(高温高圧で蒸気養生)した軽量気泡コンクリートのことを指します。
ALCは建築現場で作られる軽量気泡コンクリートとは異なり、一般的には工場でパネル状に成形され、主に鉄骨造りの外壁や屋根、床、間仕切り壁などに使用されています。整形されたパネルは「ALC板(autoclaved lightweight aerated concrete panels)」と呼ばれています。
ALCの製品目として日本でもっとも有名なのは「へーベルハウス」で有名な旭化成建材の「へーベル」が挙げられますが、他にも住友金属鉱山シポレックス株式会社では「シポレックス」、クリオン株式会社では「クリオン」という商品名でそれぞれ販売されています。
都心の住宅や小・中規模のビルなどでは主要な構造に鉄骨が用いられ、外壁にALCという組み合わせが多くなっており、最近では高層マンションでもバルコニーや共用廊下部の外壁にALCが用いられています。
ALCパネルは内部に多数の気泡があることから軽量で断熱性に優れており、重量はコンクリートの約4分の1、熱伝導率約10分の1程度になっています。こうしたALCの特性を活かして、小・中規模の建築物では建物の総重量を軽減するためにALCを用いることも多く、また耐熱性を活かして防火区画の外壁などでも多く活用されています。