ガイナTOP > ガイナ関連用語集 > 1液タイプの塗料・2液タイプの塗料
1液タイプの塗料とは、それ1本で塗装することができるように成分調整された塗料です。2液タイプの塗料とは、職人が現地にて2液を一定割合で混合して、はじめて塗装できるようになる塗料です。
例えば、シリコン樹脂塗料には1液タイプのものも、2液タイプのものもあります。後述するメーカーの努力により性能はほとんど変わりませんが、それでも同じシリコン樹脂で比べるのならば、1液タイプのものよりも2液タイプのものの方が持ちはよくなります。
ここで、この知識を応用して、外壁と屋根の塗料仕様について考えます。外壁よりも屋根の方が紫外線の影響を強く受ける箇所です。そのため、例えば、外壁に塗装する塗料を1液タイプのシリコンにし、屋根に塗装する塗料は2液タイプのシリコンにするなど、屋根の仕様は少し強めにしてあげるのです。そのようにすれば、外壁と屋根の塗替え周期を、ほぼ同じくらいに保つことができます。
また、鉄部については錆びなどの影響が出やすい箇所であるため、状況にもよりますが、2液タイプの下塗材(サビ止め)を塗布してあげるなど、各部位の特性に応じて、適切なグレードの塗料を使い分けることが大切です。
例えばウレタン樹脂を例にとると、従来は2液に分かれているものでないと、きちんとした化学反応を起こすことができず、強固な塗膜を形成することは不可能でした。しかし、各メーカーの努力により、1液タイプでも化学反応を起こし、強固な塗膜を形成できるようになってきました。このように1液でしっかりと反応する塗料のことを、1液反応硬化形塗料というのですが、その仕組について簡単に説明します。
1液反応硬化形塗料というものは、1つのシンナー液体中に、2つの反応する成分が混入されています。その2つの成分は、塗装されるまでは反応を起こしません。塗装され乾燥がはじまってから、その2成分の化学反応も開始されるような仕組になっているのです。
液体の中にあるときには、反応を起こさない。乾燥がはじまると、反応が開始する。そのような仕組の発明により、今日では1液タイプの塗料のラインナップも急速に充実してきました。これらの塗料は、しっかりとした化学反応が起こるため、2液タイプのものと大差ない品質を有しています。
ただ、1つの液体中に、2つの成分が混ざってしまっているので、やはり成分は不安定です。そのため、これら1液タイプの塗料は、2液タイプの塗料よりも消費期限が短くなっています。業者も当然のこととしてわきまえているとは思うのですが、塗装業者に工事依頼される際には、新鮮な塗料を利用してくれるように念を押してみるのも良いかもしれません。